日本歯科医師会が提唱している「80才になっても20本の歯を残そう」と言う運動です。
これは20本ぐらいあれば入れ歯無しで結構噛むことができるということから
この数字が生まれています。
しかし、現実は日本では8004(80才で4本)ぐらいで、ほとんどのお年寄りは入れ歯のお世話になるか、歯茎で食事をしているのが現実です。
歯を失う2大原因は虫歯と歯周病です。
実はこの2つはすでに予防方法がほぼ確立されています。
私たちの生活習慣を合わせていくことで防ぐことができるのです。
むし歯予防には、歯を守る最も有効な予防手段である「フッ素」を有効に用います。
歯周病の予防には、「つまようじ法」を中心とした術者ブラッシング、
専門的クリーニングを行うことによって状態を改善し維持していきます。
以下のデータは2009年10月に守屋歯科の来院者様298名に回答いただいたアンケートデータです。
歯科定期健診 Q.メインテナンスを受けていますか?
A.受けている 78%
何もなくても定期的に歯医者に通う人の割合がスウェーデンでは90%、、アメリカでも80%あるのにたいして、日本はわずか4%にすぎません。
当医院では、来院者さまの約80%がメインテナンスを受けています。
メインテナンスは、歯周病予防、虫歯早期発見のためにとても大切なことです。
①専用歯ブラシを用いた"つまようじ法"によって歯周病の悪化を防げます。
②虫歯になりにくくなり早期発見ができます。
③口臭がなくなります。
これらはあくまで統計的な平均値ですが口の中の過酷な環境では意外と早くだめになるようですね。
これらは「治療」ではありません。あくまで「修繕」です。虫歯は一度治療すれば終わりと思っていませんか?
むし歯、歯周病の再発を防ぐためにも定期健診は重要です。
ですが、一番大事なことは最初の一削りをしないこと!大切な歯を削らないのが予防歯科です。
コンポジットレジン(白い詰め物) | 5.2年 |
インレー(金属の詰め物、型を取って作る) | 5.9年 |
鋳造冠(同じく金属のかぶせ) | 7.1年 |
ブリッジ | 8.0年 |
陶材焼付冠(セラミックの自費のかぶせ) | 8.0年 |
● つまようじ法 ●
虫歯はフッ素を上手に使うことで防ぐことができます。
ではブラッシングは何のためにするのでしょうか?
実は歯周病の予防に絶大な効果があるのがブラッシングなのです。
テレビのコマーシャルで「プラークコントロール」という言葉を最近耳にすることが多くなりました。
化学的、機械的にプラークを減少させることが一般にプラークコントロールと呼ばれています。
ではプラークを少なくすると歯周病は良くなるのでしょうか?
[1] 専門家が器具を用いてプラークを除去した場合
[2] 患者によるブラッシングのみの場合
[3] この両者を併せた場合
[3]の結果がいいのは当然として[1]と[2]を比べると[2]の方が成績がよいのです。
これは単にプラークを除去すると言うだけでなく、ブラッシングによる刺激が重要であることを示しています。
ブラッシングによる機械的な刺激が歯肉の抵抗性を増していると考えられます。
特に歯と歯の間は普段物理的な刺激を受けにくい場所で「コル」と呼ばれています。
この部分にブラッシングによる刺激を与えることが大切です。
このための様々な器具が考案されています。
例えば歯間ブラシ、フロス等。使うと確かにきれいになります。
ただ長続きしないのが欠点といえます。
そこで考え出されたのが歯ブラシ一本でできる「つまようじ法」です。
これは岡山大学歯学部予防歯科の渡邊教授の提唱するブラッシングのやり方で「つまようじ法」に適した歯ブラシを用い、
歯と歯の間に毛先を滑り込ませるようにしてみがく方法です。
マスターするまで少し時間がかかりますが一度身につけてしまえば歯周病を防ぐことが可能になります。